モーツァルト 　Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)　　　　　　　　　　                　 　　

１７５６年にオーストリア・ザルツブルクに生まれた古典派音楽の巨匠。わずか３５年という短い生涯の中で９００以上を作曲（断片を含む）しており、その種類は交響曲、協奏曲、オペラ、器楽、歌曲等多岐にわたる。

ヴァイオリン奏者であった父は、幼いモーツァルトの音楽の才能をいち早く見抜き、３歳のころより音楽教育を始め、５歳で最初の作曲を行った。モーツァルト６歳のときには父に連れられてドイツ、オーストリア、フランス、イギリスなどヨーロッパ各国を音楽修行のため訪れ、その都度天才的な才能を披露し、絶賛を受ける。２５歳でウィーンに移り住み、フリーの音楽家として活動を始めるが、それから１０年後の１７９１年の冬、レクイエム作曲中にウィーンで３５歳の若さで亡くなった。葬儀はウィーン市中心部のシュテファン寺院で行われた。遺体は共同墓地に葬られたため、その遺骨はいまだ所在不明である。

作曲のスピードは極めて速く、交響曲第３６番を３日で仕上げたといわれている。またその完成度は非常に高く、頭の中で曲が完成しており、譜面に起こしたあとはほとんど加筆、修正がないといわれている。

 

アイネ・クライネ・ナハトムジーク　ト長調 K.525　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　曲名を日本語に直訳すると「小さな夜の音楽」となるこの作品は、モーツァルトの作品の中でもっとも有名かもしれない。作曲されたのは１７８７年、３１歳のときで、オペラ「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」と同時期の作品。もともと５楽章で作曲されていたようだが、第２楽章が見つかっておらず、現在では４楽章の構成とされている。弦楽合奏で演奏されるのが一般的だが、モーツァルトは演奏規模を指定しておらず、弦楽四重奏もしくは五重奏で演奏されることもある。

 

アヴェ・ヴェルム・コルプス　ニ長調 K.618　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　

作曲されたのは１７９１年６月、モーツァルトが亡くなるわずか半年前の作品。当時ウィーンに暮らしていたが、病弱な妻コンスタンツェは療養のためウィーン郊外の温泉地バーデンに滞在していた。その折面倒を見てくれた友人である、教会の合唱指揮者に対するお礼として作曲されたのがこの曲である。わずか３分程度の小曲ながら、モーツァルトの傑作とされている。

 

 レクイエム　ニ短調K. 626