第36回定期演奏会

 

 日時  2015年5月31日(日)
14時開演(13時30分開場)
 会場 羽生市産業文化ホール 大ホール
 入場料 前売 《指定席》 2500円、《自由席》 一般2000円、高校生以下 1000  当日 2500 (自由席のみ)
 ソリスト ソプラノ  工藤志州  アルト  河野めぐみ
テノール 岡本泰寛/園山正孝  バス  北川辰彦
 管弦楽 東京アカデミック管弦楽団
 音楽監督
  指揮
增田一揮
 曲目 シューベルト Franz Peter Schubert (1797- 1828)
交響曲第8番(第7番)ロ短調 D.759
「未完成」
第1楽章 Allegro moderato
第2楽章 Andante con moto

シューベルト Franz Peter Schubert (1797- 1828)
ミサ曲第6番 変ホ長調 D.950
Ⅰ. Kyrie(キリエ)
Ⅱ. Gloria(グロリア)
Ⅲ. Credo(クレド)
Ⅳ. Sanctus(サンクトゥス)
Ⅴ. Benedictus(ベネディクトゥス)
Ⅵ. Agnus Dei(アニュスデイ)

  

 
曲目解説
 
交響曲第8番(第7番)「未完成」
シューベルトの代表作のひとつで、1822年に作曲された未完の交響曲です。シューベルトはグラーツ楽友協会から「名誉会員」に推薦されたことに対する返礼として、交響曲を作曲することにしました。しかし、彼は第1楽章と第2楽章を送付したのみで、なぜか別の交響曲の作曲をはじめ、先の交響曲を完成させずして亡くなってしまいました。死後数十年を経て、その2楽章分のみが出版され、1865年に初演されました。
なぜ第2楽章までで作曲を中止してしまったのか、にはさまざまな説があります。例えば「第1楽章を4分の3拍子、第2楽章を8分の3拍子で書いてしまったために、通常の第3楽章に用いる4分の3拍子のスケルツォがありきたりなものになってしまった」という説、また「第2楽章までのままでも十分に芸術的であると判断し、それ以上のつけたしは蛇足に過ぎないと考えた」という説などです。事実、残されている第3楽章のスケッチの完成度はあまり高くないため、これらの説が有力とされています。もっとも、このように音楽作品を完成させないまま放棄するということをシューベルトはきわめて頻繁に行っており、「未完成」であることは、この交響曲の成立に関してそれほど本質的な意味はないとする考えもあります。


ミサ曲第6番
宮廷礼拝堂の児童合唱団員として音楽活動を始めたシューベルトは、生涯に6つのラテン語ミサ曲、ドイツ語によるミサ曲とレクイエム、またサルヴェ・レジーナやスターバト・マーテルなど、40を超える宗教作品を書きました。ミサ曲第6番は死の直前の1828年(31才)に作曲された、最後のミサ曲です。前年からこの年にかけて作曲された作品群は、「傑作の森」と評される充実した大曲が並んでいます。この曲がどのような経緯で作曲されたかについてのはっきりした資料はないようですが、31才の若さで書かれたとは思えない、感動的な作品です。全体的には、起伏が多くドラマチックな要素と美しい合唱が渾然一体となっており、質の高い優れた作品になっています。演奏時間は50分程度で、当時のミサ曲の倍の長さがありますが、これは、シューベルトがベートヴェンの「ミサ・ソレムニス」を相当意識していたことによると考えられます。一例としてフーガが多く、曲に起伏を与えている点が挙げられ、また、半音階の処理が多いのもウィーン古典派のミサ曲とは一線を画しています。伝統的なウィーン古典派のミサに準じながら、ベートーヴェン、更にはヘンデルやバッハ、そして独自の作曲技法を取り入れた、従来にない画期的で美しい作品です。死の寸前に書かれたミサですが、悲劇的な様相は全くありません。


 





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